私のなにかをあげるなら

そのなにかを持っていない人にあげましょう

だからあなたにはあげられないのです

あなたが私のなにかを欲しいと願っているうちは

わたしは女であるという意識
わたしは人間であるという意識

それさえなければ

わたしは女ではなく
きっと人間ですらなかった

わたしは笑ってほしいだけなのに
世界はわたしにやさしくない


会えない分だけ独占欲にまみれてく
会えないだけでみじめになる

それはぜんぶわたしのせい

あなたに会ってわたしはひとりになったのかしら
それもうそ
わたしはひとりになれるところを探したのだから


ごめんなさい

あなたはわたしに近すぎた
きっとあなたがいなくなっても泣かないわ

会いたくなかった　なんて

ふと思ってしまうわたしとの約束なんて忘れてもいいよ

そうすればきっと泣くから
泣いて泣いて泣いて
泣きはらしていつかきっとあきらめるから

だから

わたしを置いて
しあわせになってね



約束してね

忘れていいから

うなぎときゅうりの酢の物

かつおのきいた土佐酢で甘からいタレがついたうなぎとたたいてつぶれたパリパリきゅうりを和える


……ちょっと笑った

アナタの想いは
このモニターを通じて
彼女に届く

そんな都合が良いことがあればいいのに



（夜騎烏の詩・弐）

出会うこと
巡ること
再会すること

全ては別れを前提に成り立ったいる



（夜騎烏の詩・壱）