そいつのあだ名はトカゲだった。本名も学部も知っている人はたぶん少なくて、でも存在自体は大学内で有名だ。彼なのか彼女なのかも定かではないけれど噂では別れさせ屋とか鞘当て屋とか言われている。当人にその気がないのを知っているのは恐らく本人以外におらず、またそんな噂があるくらいなのだから世話になった者もたしかにいるのにその彼らすらも首をかしげる。中にはありがちな七不思議と笑い飛ばす者もいたが、たしかにトカゲは在籍している。
気味がわるいほどまだらに染めた髪に、明らかに人工の色をした数束のエクステンションがくっついた襟足。焦げ茶色のサングラス。
そんな意味のわからないすがたをしているのもトカゲと呼ばれる所以だ。
そしてさらにもうひとつ。トカゲの噂を後押ししているものがある。人工色のエクステンション。彼の襟足からそれがなくなったとき、彼はなにかから切り捨てられた証拠なのだ。
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果たして来夏に間に合うのかそんなオリジナル
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