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接ぎ木

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2008.07.07 Mon 「 ねこのせいかつ。original

 転校生が来るらしい。その噂を親友のナビィから聞いたのは偶然にも四月一日の事で、アイオはほとんど信用していなかった。
 担任であるハピ先生はホワイトボードの日付の下にやや角張った字で週番の名前――今週はエルフィンだ――を書いて、手を前で組んでぼんやりとしている女の子の肩に手を置いた。ずいぶんと線が細い子だ。たまに町で見るチャイナコートをアレンジしたような紺のワンピースすがたで、すらりとした手足は冬に吐く息のように白い。顔立ちも整っていて、片手で収まってしまいそうなほど小さい。服よりも青みがかったまっすぐな髪は腰の辺りで切り揃えられ、左右の一房ずつが前に垂らされている。長い睫毛に縁取られた双眸は上物のトパーズのような見事な黄橙色。
 誰が見ても息を漏らすような見た目に反してかもし出す雰囲気は控えめだ。その微妙なミステリアスさがアイオには気に入った。ちらりと後ろを見ると頬杖をついたナビィが口笛を吹いた。彼も彼女が気に入ったのだろう。
 ハピ先生は女の子の肩を叩いて教室を見まわす。
「彼女は越してきたばかりでこの辺りに慣れていない。慣れない気候で体調も崩しやすいそうだから、あまり騒がないでやってくれ。席はアイオの隣だ」
 アイオは驚いて目を見開いた。二人掛けの机は他に開いていて、まさか隣になるとは思ってもいなかったからだ。後ろにいるナビィが悔しそうに背中を小突いた。
 ハピ先生に二言三言告げられた女の子は滑るような動作でアイオの横に立った。意外な事に背が高い。女の子は身体を軽く頭を傾けて会釈した後で席に収まった。
 女の子が座るのを見て、ハピ先生は持っていたファイルを開いた。
「今日の授業は私の都合で三限までだ。ホームルームは行わないから用がない者は帰るように。以上」
「先生」
 クラスで一番の目立ちたがり屋のチェルシーが手を挙げて立ち上がった。
「彼女は何という名前なのですか?」
「それは本人に聞きたまえ」
 ハピ先生は授業の資料を取りに行くために脇目も振らずに教室を出て行った。授業が始まるまであと十五分ほどしかない。それでも生徒たちはわっと女の子のまわりに集まった
 
 *
 
 翌日、アイオはシリカを迎えに行くためにいつもより一時間も早く家を出た。
 知らない道に足を踏み入れるのはなかなか気骨がいるもので、それは行き交う人の目が不審そうでよそよそしく感じるからだ。しかし、今の時間帯が朝だからなのか曇り空だからなのか、くすんだ建物の多い界隈はがらんとしていた。その所為でますます古びた印象が強くなる。実際、古めかしい建物が多かった。元は白かったであろう壁は灰色っぽく煤けていたり、錆びた窓の手すりや門には濃い色の蔦がからまっていたりする。
 十字路を横切ろうとしたところで、右目に眼帯をした細身の少年とぶつかりそうになった。彼はひょいとその場から飛びのいて、不機嫌そうに片目にすがめた。その態度が癪に障り、アイオは少年に噛みついた。
「急に飛び出してきて危ないぢゃないか」
 少年は特に何も言わない。心底面倒だという表情をしながら時々右耳をぽんぽんと叩いている。
「どうしたの、ライカ。何かあった、」
「シリカ、」
 少年が初めて口を開いた。アイオが想像していたよりもいくぶんか低い声だった。もしかしたら声変わりを終えているのかもしれない。
 陰から姿を現したのはシリカだった。道と道とが交差するところまで出てきて初めて彼女はアイオに気がついた。不機嫌そうなライカから状況を読み取ったのか、すぐさま申し訳なさそうに笑みを浮かべて頭を下げた。慣れたような対応に面食らったアイオは声を荒げる。
「なんで君が謝るのさ。悪いのはこいつなんだから、こいつに謝させればいいだろう」
 ライカは明らかに気を悪くしたようで、片目でアイオを見下ろした。鉢合わせた時から思っていたがライカはとても背が高い。シリカと比べても頭一個分は差があった。小柄なアイオはそれも気に入らず、さらに声を大きくした。

「先行く」
「そうですか。お昼は戻られますか」
「ああ」
「わかりました。それではお気をつけて」

「何だよ、あいつ。気に入らないな」
「兄なんです」
 あっさりとした答えにアイオはぎょっとした。くすりと小さく微笑んでシリカは小首を傾げる。
「とは言っても双子なのですが」
「双子、」
 唖然とした様子で呟いたアイオに頷く。
「ええ。無口で不器用ですけど、優しいひとなんです」
 はにかむようにシリカは笑んだ。今日は左右の髪を頭の後ろでまとめていて、顕わになっている頬は淡く色が差していた。
 それが面白くなくて、アイオは鼻を鳴らした。
「ふうん。それにしても似てない兄妹だね」
「兄は母譲りの毛色をしていますから。ほら、見事な黒だったでしょう。私は父に似て青みが出てしまいました」
 シリカは前髪を引っ張った。
「綺麗な藍色じゃないか」
 頬にかかっていた髪を引っ張りながらアイオは羨ましそうに言った。母親は赤褐で父親は白金なのに、どうしてかアイオは金茶色なのだ。どうせなからシリカのような藍、もしくはライカのような黒がよかったと改めて思った。
 ライカの片目は金色だった。艶やかな黒い髪と鋭い光を湛えた黄金の対比は素晴らしい。シリカも似たような色合いだがどちらかというと柔らかい感じがする。




―――――
長野まゆみ女史風に書いてみようとして撃沈した2007年4月の作品がでてきたのでリサイクル。
どうオチをつける気だったのかわからない。
むしろ長野女史風なオチにするならライカ×アイオでガチしか(ry

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2008.05.26 Mon 「 第三七実験基地original
「食事は食堂か自販機のレーション、それか自炊ね。材料は事前に申請すれば部屋に補充されるわ」
「あなたはどうしているんですか」
「わたし? 食堂を利用してるよ」
「なら、そうします」


「だめだよ。飛行機にも愛情を持たなくちゃ。それとも人間じゃないから愛せない?」
「はい」
「そっか。じゃあ訊くけど、彼らと人間のちがいってなに? どこがちがう?」
「彼らは機械です。ぼくたちは、人間です」
「種族的な解答だ。じゃあ彼らは生きてない?」
「はい。彼らは生きているように見えるだけ、彼らの外部CPUがそう見せかけるだけです」
「それなら人間も生きていないことになるよ」
「それは、詭弁だ」
「そう、詭弁。でもそういうことなんだ。人間が特権階級にあると思うのが問題なの。彼らも人間も二足歩行型哺乳類のボディがあり、思考・制御および演算機関が頭部にあって、学習したことを蓄積する。大差なんて中を見なくちゃわからないよ」
「でも、彼らは人工物だ。自然じゃない」
「人間だって人工的にできるものだよ。まあ最近では意図的でなく過失でできるほうが多いから彼らよりも性質がわるいかな」

「どちらもヒトから生まれたの。同じエイドス、ちがうのはヒュレーだ」


「図書室の地下にフィルムがあるの。知ってる?」
 ぼくは首をふる。そもそも、この基地に図書室なんてあったのか。
「アニメーションなんだけど、飛行機乗りの誇りと罪悪について語った作品があるよ。主人公は人間でいるのがいやになってら魔法で豚になってしまった赤い飛行機乗りなの」
「観て、飛べるようになるなら、観ます」
「うん、どうかな。もとは娯楽作品だっていうし、やっぱり古典だから」
2008.01.19 Sat 「 没ネタoriginal
 子が親を選ぶシステム、教会がすべてを管理する機械都市。
 子はアストラルの状態で親を選ぶ。選ばれた親には拒否権があり、また子が親を選ぶ(拒否は稀)。
 選ばなかった子のために教会の地下には人工の胎室があるって、個児として育てられる。


空木(うつき) 15歳
 空母「空翠」のパーソナルを父に、戦闘機「綾羅木」のパーソナルを母として選んだ少女。両親が教会軍所持だったために軍で育ち、町の学校に通う。かなり変わっている子。

エディ(エドワーズ) 27歳
 綾羅木のメカニック。

壱弥(いちや) 31歳
 綾羅木のパイロット。空木の父親的存在。二十代に見える。
2008.01.13 Sun 「 ヨナとアニタ(オチ)original
「……おかえり。おかえり、ヨナ」
 眠る少年のさらさらした銀の髪を指先で払いのけ、アニタは小さく笑んだ。
 ヨナは死ななかった。出がけにした約束をまもって帰ってきたのだから、アニタも約束はまもらなければならないだろう。
「夕飯はシチューだ。できたら起こしてあげる」
 膝立ちの状態から立ち直し、もう一度だけヨナの額を撫でる。久しぶりになんだかとても楽しくなった。
2008.01.13 Sun 「 ヨナとアニタoriginal
「かみさま、かみさまは名前ないの」
「ええ。ぼくはかみさまですから」
「でも、アニタはかみさまはお仕事だって言ったよ。お仕事なんだからかみさまにもお父さんとお母さんがいるんだよね」
「それは……」
「ふたりはぼくに名前をくれたよ。ね、かみさまは名前もらわなかったの」


「……四季」
「ヒトトセ?」
「はい。ヒトトセ、それがぼくの名前です」


「わたしのばあさんがネバランの重鎮なんだ」
2007.12.31 Mon 「 宝石姫original
 時代は2050年。世界人口は100億人を突破したと言うのに日本の少子高齢化は改善が一向に見込まれず、ついに三十代以下の人口が二○○○万人を下回ったため、その希少価値から「日本人」は絶滅危惧種に指定された。
 また、本人との同意が得られた場合のみ「日本人」を預かることが許される(国連とIUCNの発行する許可証が必要)。全員が10桁のコードを身体の一部に持ち、軍事衛星によって管理・監視される。
 基本として「日本人」は特権階級にあるが、犯罪を犯した場合は在居する国の法で裁かれる。
 日本においては名字の概念は薄くなり、名付けも海外じみたものが増加(強襲的外交が原因)。遺伝子操作は重罪のため見た目は黒髪黒目のモンゴロイドが多い。
 日本は2027年の地震により、大まか四つに分断される。


高杉ヒサ
16歳。日本人。6歳より在日イタリア人に保護を受けている。両親共に行方知れず。眼白皮症のために虹彩が赤い。

カルロ・スピノラ
高杉の保護者。イタリア国籍の日系イタリア人。
2007.11.10 Sat 「 9original

「世界」
 とりあえず地球ベース、ヨーロッパ辺りのダウンタウン。
 だけど異世界。太陽はひとつ、月は青いのと赤いののふたつ。
 大陸七つで構成されており、呼称は第一~七大陸。第一が首都。
 全土がひとつに統一されているので国というより自治区にちかい。
 いちおう首都があって、そこはもっとも小さな大陸(というか島国)。
 四季は首都(第一大陸)のみ。第二~四が南半球、第五~七は北半球。
 大陸同士を隔てるように砂の運河が流れ、全体を囲うように海。
 飲み水などに関しては砂の奥底およそ○キロメートルから汲みあげ。
 移動手段は鉄道、砂船。一部の原生生物を飼いならすという手もある。
 お金の単位はセーヴ。貨幣と紙幣がある(日本に順ずる)。10進法。


「0~9」
 世界をつくったとする真理。
 主に名前に付随して用いられるが古い習慣であるため現在廃れ気味。
 どちらかというとゴッドハウスの高僧の姓である意味合いが強い。


「時間」
 一年=12ヶ月=732日、一ヶ月=61日、一週間=7日。
 一日=24時間、一時間=60分、一分=60秒。60進法。
 一月=ルバンの月、二月=メスィスの月、三月=クァマリの月、四月=イスタの月
 五月=メラの月、六月=レニの月、七月=カルニの月、八月=オライヴの月
 九月=エイセの月、十月=パルの月、十一月=トライネの月、十二月=ラズァドの月
 月の名称は聖戦時代に活躍した戦士や指導者の名前。
 誕生日の概念はあるけれど一月一日にみんなそろって年を取る(数えで)。


「種族」
 ・人間
  首都(ネバラ)は小柄で黒髪黒目。童顔が多い。遅老長寿。
  スラングとして<灰被(シンデレラ)>や<赤帽(レッドキャップ)>などがある。
  金髪は砂竜がヒトに化けている証拠で、このときばかりは見て見ぬふり。
 ・原生生物
  大陸……トリウマ、ケナガウシ、オオツノヤギ、ウロコジカなど。
  砂漠……砂虫、おばけ仙人掌など。
  砂漠……砂竜、砂獅子は知能が高く、調教次第で頼もしいが基本害獣。
  海……大王イカ、人食い鯨など。規格外にでかいやつらがおおい。


「町」
 タブライズ……第七大陸北部にある町。大人が出稼ぎで不在のために子どもが多い。
 アリクル……ゴッドハウスのある町のこと。大陸にひとつずつある。
 ヒースウズ……第二大陸の砂漠地方にある流通地点のひとつ。


「キャラバン」
 あやしげな隊商から俗に言うところのなんでも屋までふくめた、とりあえず労働団体。
 世界蛇……首領・〈悪蛇〉レオナードが率いる武闘派集団。主に害獣討伐や裏家業中心。
 世界樹……一見雑貨屋だが列記とした仕事斡旋所。店主に睨まれると仕事が来ない。


「人間」
 マリアム=9(Mariam=9)……管理人にして一般人(仮)。「世界蛇」にアジトを提供。
 ヨナ(Jonah)……少年。キャラバン(ギルド)「世界蛇」の新入り。14歳。
 アリアンナ(Arianna)……少女。生まれたときから「世界蛇」。砂獅子を従える。16歳。
 ヒトトセ(四季)……かみさま。アンバランスゆえにヨナになつく。12歳。
 スシャ(朱砂)……ヒトトセの護衛役。砂竜とのハーフ。ツンデレ気味。17歳。
 レオナード(Leonard)……「世界蛇」の首領。アニタには借りっぱなし。
 リッツ(Ritz)……雑貨店「世界樹」の店主。占い師でもある。

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